Northern Cape
北ケープ州 サン族のふるさと、北ケープ州といえば、広々とした空間と実に美しい海岸線、一般的な南アフリカとはまた異なる景観が体験できる数々の個性的な国立公園がある。この州には、さまざまな歴史と文化観光資源があり、なかでもナマクアランド(Namaqualand)で開催される毎年恒例の花の祭典が有名だ。 概要 北ケープ州は、大きなオレンジ・リバーの南側に位置し、砂漠と半砂漠からなる。その風景は、乾燥した広大な平原とそこに自然に堆積した石が露出しているといった感じである。大西洋の寒流が州の西側の境界(海岸線)を作っている。南アフリカ最大の州だが、人口は最も少ない。純粋なサン族(ブッシュマン)の末裔は、同州のカラハリ(Kalahari)地域に住んでいる。地域全体、特にオレンジ・リバーからヴァール・リバー沿いには、サン族の壁画が数多く見られる。化石が多いのも特徴だ。 北ケープ州最初の居住民はサン族だが、ヨーロッパ人やほかのアフリカ民族の到来によって次第に追いやられていった。有名な当時のケープ総督サイモン・ヴァン・デル・ステルの元、オランダ人が銅の採掘にやってきた。採掘というのは、こちら側の世界においては、常に歴史を作ってきた。ダイヤモンドがキンバリー(Kimberley)で発見されると、バーニー・バルナトやセシル・ジョン・ローズなどの人々の指導により、同州は空前の成長期に突入する。1899年、北ケープ州がボーア戦争の舞台となったときも、キンバリーはボーア人が真っ先に包囲した町のひとつであった。 気候 冬に雨量の多いごく一部の地域を除いては、北ケープ州は、夏の雨量が少ない半乾燥地帯である。冬はかなり寒く、霜も降りるが、夏はかなり高温になる。ハンタム・カルー地方のサザーランドは、アフリカ南部でもかなり寒い町のひとつで、冬の最低平均気温は摂氏マイナス6度である。冬には、周辺の山々が雪で白く覆われる。 特徴 この地域を訪れる人は、北ケープ州の大きさ、透き通った空、燃えるような夕陽、きらめく夜空の星、そしてこの上ない静寂に酔いしれる。 主な見どころ ■リヒタースフェルト国立公園(Richtersveld National Park) 1991年に造られたリヒタースフェルト国立公園は、北西部のナマクワランドに位置する。ここの地形は荒々しく、容赦しない。それを証明するかのように、その地形に付けられた名前は、スケルトン峡谷、デビルズ・トゥース(悪魔の歯)、ヘルスクルーフHelskloof(地獄の峡谷)などがある。この地域は魅力的なナマ族の居住地である。ナマ族は、主に羊かヤギを飼い、厳しい環境の中で、質素な生活を送っている。リヒタースフェルトはオフロード・ドライブ愛好者や自然愛好者に人気。 ■クガラガディ・トランスフロンティア公園(Kgalagadi Transfrontier Park) カラハリ・ゲムスボック国立公園(The Kalahari Gemsbok National Park)とボツワナにあるゲムスボック国立公園が併合され、クガラガディ・トランスフロンティア公園として、アフリカ最初の国境を越えた動物保護区が誕生した。これは、アフリカ南部の保護区としてはかなり大きく、世界に現存する自然のエコシステムの一つである。この公園は、さまざまな動物が南アフリカとボツワナの間を行き来できる柵のない環境で、敷地面積は200万ヘクタール以上。 ■オーグラビーズ滝国立公園 この国の中では比較的知名度が低いが、アフリカで2番目に大きな滝が、その勢いの様を見せつけながら、御影石の峡谷に大きな音を立てて落ちるのが、このオレンジ・リバーである。可能なアクティビティは、こういうアトラクションとしては月並みだが、ラフティングやウォーキング、サイクリング、カヌーなどがある。 ■花、花、いたるところに花 8月から9月にかけて、ナマクワランド地域は野生の草花が咲き乱れる。この地域は、変化に富む風景と草花の美しさで世界的にも有名。撮影のための公園探訪は、地元の人間だけでなく海外旅行客にも人気がある。 ■ロックアート この州にはサン族によるはるか昔の壁画が沢山存在する。サン族は砂漠に住む狩猟民族で、彼らの遺跡は北ケープ州にある洞窟のいたるところで保存されている。 ■ダイヤモンド採掘 キンバリーには、キンバリー採鉱博物館と呼ばれる非常にすばらしい博物館がある。博物館の一部は、ビッグ・ホール(人工で掘ったもっとも大きい穴)への見晴台や歴史的な建造物である。雰囲気のある博物館として知られるこの博物館は、訪れる人を、バーニー・バルナトやセシル・ジョン・ローズが王の、ダイヤモンドがすぐ手に入る時代へとタイムスリップさせる。 ■キンバリーのビッグ・ホール 有名な幅約500メートル、深さ約240メートルの穴は、ダイヤモンド採掘者によって、つるはしやシャベルを使って掘られた。これは、世界最大の人口採掘場として知られる。この穴は観光アトラクションのひとつとして残っている。 ■電車とトラム 州都の鉄道の駅はフロレンス・ストリートにあり、町の中心街に近い。南アフリカの有名で豪華なブルー・トレインは、キンバリーで一時停車し、ケープタウンやヨハネスブルグへと向かう。乗客は、キンバリーの趣のある駅で乗車するか、降車できる。キンバリー・トラム・サービスは、今世紀に入ってから作られた年代物のトラムで、市庁舎から採掘博物館まで、毎日運行している。 ■モファット・ミッション駅 伝道師ロバート・モファットとその妻メアリイは1820年にクルマン地域にやってきた。彼らの目的は現地の人々をキリスト教に改宗することであり、モファットは、聖書を土着の言語であるツワナ語に訳した最初の人間であった。彼らは、教会を建て、今は教育センターと避難所として再活用されている。 ■ワンダーワーク洞窟(Wonderwerk Cave) クルマンからそう遠くないところに、ワンダーワーク洞窟がある。考古学者やそれに準ずる人々がよく訪れる場所で、ほぼ100万年前に遡る人間の生活跡だといわれている。この地域はまた、貴重な化石やサン族の壁画もある。 ■カラハリ カラハリ地方といえば、永遠に続く空間と大きなアフリカの空だ。この乾燥した荒地は、サン族の言葉「クグラガガディKglagagadi」、乾いた土地という意味の言葉にちなんで名づけられた。三日月形の地形には様々な土地固有の草花と動物が生息する。 ■小さな町の楽しみ 北ケープ州には、特に芸術に興味のある人々に人気が出てきた町が点在する。Niewwoudtvilleやカルヴィニア(Calvinia)、ポファダー(Poffadder)、スプリングボック(Springbok)は、一見の価値がある。特に、地元の人々の暖かい歓迎がうれしい。 ■オレンジ・リバー わくわくするような体験をしたい人は、オレンジ・リバーのカヌー下りがおすすめ。ホワイト・リバー・ラフティングとは少し異なり、オレンジ・リバーの潮流は急で、その期待を裏切らない。川沿いの旅行には、2日から6日の行程があり、信用できるツアー・オペレーターが手配をしてくれる。 ■ペラ・ミッション(Pella Mission) ペラ・ミッションは人里はなれたところにある町だ。スプリングボックからおよそ150キロにあり、ペラには、1880年代後半にフランス人伝道師らによって建てられた、印象的な黄色い大聖堂が有名。大聖堂は、現在でも使われており、この地域の宗教コミュニティの中心的な役割を担っている。